国産スマートフォンはどうして弱い?国内メーカーはどこから弱くなっていったのか?【ソニー・シャープ・FCNT・京セラ】【Xperia・AQUOS・arrows・TORQUE】

今回は、国産スマホがスマホ市場で弱くなった原因について解説したいと思います。

スマホ選びの参考になれば幸いです!

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現在の国産スマホメーカー

現在も生産が行われている日本系のスマホメーカーとしては以下の3社が挙げられます。

  • ソニー(Xperiaシリーズ)
  • シャープ(AQUOSシリーズ)
  • 京セラ(TORQUEなど)※TORQUE以外の個人向け携帯電話は事業撤退予定

arrowsで有名なFCNT(旧富士通)は2023年5月に民事再生手続きに入ったので、事実上の破産となりました。

また、京セラも2023年6月に個人向け携帯電話事業の撤退を発表しています。(TORQUEシリーズのみ継続予定)

ここに挙げたメーカーの中で100%国内生産されているのはFCNTと京セラのみで、FCNTが破産したことで京セラのみとなっています。

また、シャープに関しては現在は台湾のフォックスコン傘下となっているので、厳密には国内メーカーでもありません。

これらの日系スマホメーカーは昨今シェアを落とし続けており、FCNTや京セラのように事業の縮小や終了に追い込まれるメーカーもあります。

今回はこの衰退の原因に注目して見ていきます。

昨今のスマホ市場の状況

引用:BCN Ranking

国内のAndroidスマホ市場に目を向けると、ソニーとシャープのシェアは結構高い状況になっています。

世界トップクラスのシェアを誇るサムスンを超えることもありますね。

しかし、世界に目を向けると日本メーカーのシェアは皆無に等しいレベルとなっています。

アップルとサムスンが2強として圧倒的なシェアを持ち、その下にXiaomiやOPPOといった中国勢が並びます。

フラッグシップモデルでグローバル展開している日系メーカーとしてはソニーのXperiaだけで、シャープや京セラが少し海外でも展開しているという状況です。

2010年以降のスマホメーカーのシェアの変遷を見ると、2010年はソニーのシェアが世界で8%ほどあったところが、2023年は0.3%まで減っています。

引用:statcounter

次に2010年の日本国内の出荷台数を見てみると、多くの国内メーカーがアップルやサムスンを上回っていました。

引用:MM総研

しかしながら、2013年にはアップルがシェアトップにまで増えています。

国産メーカーもパナソニック、NECカシオなどが大きくシェアを落としてしまっています。

引用:MM総研

さらに2015年を見てみると、半数近くをアップルが占めるようになっています。

それ以外をソニー、シャープ、京セラなどで奪い合う形になりました。

引用:MM総研

そして、2022年になるとAndroidスマホメーカーではシャープとソニーくらいしか日系メーカーの名前が出てこないくらいにまで減っています。

引用:BCN Ranking

なぜ日本メーカーは世界のスマホ市場で存在感がないのか

原因は主に国内キャリアとの関係とそれに伴うガラケー文化

日本のスマホメーカーは、スマホ登場前にいわゆるガラケーを作っていたメーカーが多いです。

日本のメーカーはドコモなどの通信キャリアとの関係がかなり密接で、端末の開発にキャリアが大きな影響力を持っていました。

その結果として、キャリアの独自機能が盛り沢山のいわゆるガラケーが生まれました。

iモードといったキャリアの独自サービスと、日本メーカーの技術力が日本のガラパゴス化を生んだと言うことができますね。

スマホの登場がきっかけ

こんな状況だったところにスマホの登場が大きな影響を与えます。

スマホの登場により、キャリアが提供していたものがアップルやGoogleといったOS側が提供するようになったため、キャリア独自のサービスは不要になってしまいました。

iモードなどを通さなくても、グローバルなサービスに直接アクセスできるようになったわけですね。

その結果、日本の独特な環境は実態に合わなくなったと言えます。

それまで、国内メーカーは「キャリアが作ってほしい端末」を作れば良かったんですが、スマホ時代になってからは「ユーザーが使いたい端末」を作らなければならない状況になりました。

しかし、キャリア依存だった国内メーカーはユーザー視点で考える企画力が弱いのではないでしょうか。

また、キャリアのサービスに依存していたため、端末自体をアピールする力やブランディング力も弱いと思われます。

全体的に消費者に向けたマーケティングが弱いと言えますね。

そして、今は通信と端末の分離の流れもあるため、キャリア依存では戦えない状況がますます進んでいます。

Redmi Note 11 Pro 引用:Xiaomi

さらに、中華系のメーカーは勢いがあり、資金力でも日本メーカーは敵わないため、価格・コストパフォーマンスでも勝てなくなってしまいました。

まとめ

国内メーカーは高い技術力でキャリアとともにガラケー時代を作ったと言えます。

だからこそ、スマホへの変化に対応しきれなかったとも見ることができます。

ただ、国内で見ればキャリアのおかげで今でもそこそこのシェアがあります。

また、日本メーカーの技術力は今でも高く、ソニーはカメラセンサーのメーカーとしてスマホ市場でも存在感がありますね。

今後、国内キャリアとメーカーがどうなっていくのか引き続き注目していきたいですね。

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