今回は、キャリアの残価設定プログラムについて見ていきたいと思います。
スマホ選びの参考になれば幸いです!
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残価設定プログラム/2年レンタルとは
残価設定プログラムは携帯キャリアが行っている端末購入サポートで、簡単に言えば残価設定型の24回払いです。
結果的にユーザーの実質負担額が減るので、お得にスマホが買える方法としてキャリアがよくおすすめしてきますね。
基本的に利用料や利息、頭金は無く、回線契約なしでも利用できる点がポイントです。
各社とも若干形態が異なるので、まずはそれぞれの仕組みについて解説していきます。
ドコモ「いつでもカエドキプログラム」
ドコモでは「いつでもカエドキプログラム」という名前で残価設定プログラムが用意されています。
主な流れは以下の通りです。
- ①端末代金の支払いを残価設定型24回払いを設定(24回目が残価)
②23回目支払い後、端末をドコモに返却
③24回目の支払い(=残価)が支払い不要に
24回目の残価が大きめの金額に設定されているため、結果的にキャッシュバックのような形でユーザー側の負担額を抑えることができます。
他社との違いとして、1~22回目に返却すると早期利用特典として翌月以降の支払額が割引される仕組みがあります。
これはドコモだけの仕組みなので、他社と異なるメリットと言えますね。
また、23回目を過ぎても返却しない場合は、残価をさらに24回に再分割されるのでただの48回払いのような形になります。
au「スマホトクするプログラム」
auでは「スマホトクするプログラム」という名前で提供されています。
auでの流れは以下の通りです。
- ①端末代金の支払いを残価設定型24回払いを設定(24回目が残価)
②23回目支払い後、端末をauに返却
③24回目の支払い(=残価)が支払い不要に
auの残価設定プログラムはドコモとほぼ同じ形になっていますね。
ただ、早期返却は12~22回目の間のみで、ドコモのような割引も無いので早期返却する必要性がありません。
こちらも、23回目を過ぎても返却しない場合、残価をさらに24回に再分割されます。
ソフトバンク「新トクするサポート」
ソフトバンクでは「新トクするサポート」という名前です。
こちらはドコモ、auと少し形が異なっています。
- ①端末代金の支払いを48回の分割払いに
②24回目支払い後、端末をソフトバンクに返却
③25回目以降の支払いが不要に
最初の段階が48回払いの設定であること、返却タイミングが他社より1ヶ月遅いことが特徴です。
早期返却は12~23回目の間のみで、こちらも割引はありません。
また、24回目を過ぎて返却しない場合、最初に設定された普通の48回払いになります。
楽天モバイル「iPhoneアップグレードプログラム」
楽天モバイルは「iPhoneアップグレードプログラム」という名前で、対象機種はiPhoneだけです。
- ①端末代金の支払いを48回の分割払いに
②24回目支払い後、端末を楽天モバイルに返却
③25回目以降の支払いが不要に
楽天モバイルはソフトバンクと同じような形になっていますね。
iPhoneアップグレードプログラムの利用は、楽天カードでの支払いに限られる点に注意しましょう。
楽天モバイルはこのプログラムの利用で10,000円相当のポイント還元がある点は魅力的ですね。
こちらは24回目支払い以前の早期返却はできません。
24回目を過ぎて返却しない場合は、普通の48回払いになります。
残価設定プログラム/2年レンタルのメリット
残価設定プログラムの最大のメリットは実質的な負担額が減ることです。
最近のスマホは価格上昇が進んでいるので、消費者側としては負担額が減るのは嬉しいですね。
新品にこだわらなければ白ロムも安いんですが、新品の場合は残価設定プログラムを使った方が結構お得になります。
また、2年後に返却することが前提なので、2年ごとに新しいスマホへ機種変更しやすい点もメリットと言えるのではないでしょうか。
どれほどお得か
実際どれくらいお得になるのか見ていきます。
今回はiPhone 14 ProとPixel 7 Proの価格を例とします。
iPhone 14 Proの場合、残価設定プログラムを使えばアップルストアの定価から40〜50%ほど安い価格で購入可能です。
この値段で2年間使えると考えると、非常にお得になることが分かるのではないでしょうか。
Pixel 7 Proも同様に安く買えるようになっており、Googleストアの定価からは50〜60%ほど安い価格で2年間利用可能です。
auはかなり残価設定プログラムの実質負担額を抑えているので、非常にお得ですね。
iPhone 14 Pro | Pixel 7 Pro | |
---|---|---|
ドコモ | 174,130円~ いつでもカエドキプログラム:87,370円~ (アップルストア定価の58%) | – |
au | 175,860円~ スマホトクするプログラム:89,700円~ (アップルストア定価の60%) | 134,900円 スマホトクするプログラム:52,060円 (Googleストア定価の42%) |
ソフトバンク | 175,680円~ 新トクするサポート:87,840円~ (アップルストア定価の59%) | 131,760円 新トクするサポート:65,880円 (Googleストア定価の53%) |
楽天モバイル | 150,900円~ iPhoneアップグレードプログラム:75,432円~ (アップルストア定価の50%) | – |
アップルストア Googleストア | 149,800円~(アップルストア) | 124,300円〜(Googleストア) |
残価設定プログラム/2年レンタルのデメリット
残価設定プログラムの大きなデメリットは、返却時の端末の状態によっては追加料金が必要になることです。
- 画面や筐体の割れ、破損
- ディスプレイ不良
- 電源が入らない
これらのような状態だと、返却後に追加で22,000円払う必要があります。
有料の保証サービスに加入すれば、この追加費用が2,200円になるキャリアもあります。
- 端末初期化ができていない
- 製造番号が確認できない
- 明かな改造品
- 基盤の断裂など過度の故障、破損
このような場合はそもそも返却不可となります。
基本的には、端末が破損・故障しないように気を使いながら使う必要がある点に注意しましょう。
h2・売却する場合とどっちがお得?
iPhone 14 Pro | 残価設定プログラム利用時実質負担額 | 2年後の想定売却価格 | 2年後売却時の実質負担額 |
---|---|---|---|
ドコモ | いつでもカエドキプログラム:87,370円~ (アップルストア定価の58%) | 約75,000円〜90,000円 メルカリやヤフオクなど個人売買 (アップルストア定価の50〜60%) | 約60,000円〜75,000円 (アップルストア定価の40〜50%) |
au | スマホトクするプログラム:89,700円~ (アップルストア定価の60%) | ||
ソフトバンク | 新トクするサポート:87,840円~ (アップルストア定価の59%) | ||
楽天モバイル | iPhoneアップグレードプログラム:75,432円~ (アップルストア定価の50%) |
ここで気になるのが2年後に売却する場合とどちらがお得かという点ですよね。
まずiPhone 14 Proの場合で見ていきましょう。
メルカリやヤフオクだと、2年後のiPhoneは定価の約50〜60%前後で売却することが可能です。
そのため、2年後に売却した場合の実質負担額は定価の40〜50%前後です。
残価設定プログラムを使った場合の実質負担額は約60%なので、2年後に売却した方がお得ということになります。
このように、iPhoneの場合は売却価格の下落が少ないので、メルカリやヤフオクで売る方がお得な場合が多いです。
とはいえ、売却するにはそれなりのリテラシーが必要ですし、個人売買だとある程度のリスクもあるので、どちらを優先するかという話ですね。
Pixel 7 Pro | 残価設定プログラム利用時実質負担額 | 2年後の想定売却価格 | 2年後売却時の実質負担額 |
---|---|---|---|
au | スマホトクするプログラム:52,060円 (Googleストア定価の42%) | 約37,000円〜62,000円 メルカリやヤフオクなど個人売買 Googleストア定価の30〜50% | 約62,000円〜87,000円 (Googleストア定価の50〜70%) |
ソフトバンク | 新トクするサポート:65,880円 (Googleストア定価の53%) |
一方でリセールバリューが悪いAndroidスマホの場合も見ていきましょう。
Pixel 7 Proの場合は、メルカリやヤフオクだとおおよそ30〜50%前後で売却可能だと思われます。
そのため、2年後に売却した場合の実質負担額は定価の約50~70%です。
残価設定プログラムを使うと実質負担額は定価の約40~50%になるので、売却するよりも安く抑えることができます。
AndroidスマホはiPhoneに比べて価格の下落が大きいので、残価設定プログラムと売却を比べるとどうしてもこのような傾向になっていまいます。
Androidスマホの中でも、特にハイエンドモデルは相場が下がりやすいので、残価設定プログラムの恩恵を受けやすい傾向にあります。
残価設定プログラムと投げ売りの関係
昨今盛んに行われているキャリアによる投げ売りは、大きく分けて「一括○○円」と「実質○○円」があります。
一括○○円は一括なので普通に購入する場合ですが、実質○○円は残価設定プログラムを利用しているので2年後に返却する必要があります。
割引と残価設定プログラムを組み合わせて月々1円=実質24円のように安くしています。
特に、価格の高いハイエンド機だと一括○○円にはしにくいので、実質○○円で投げ売りが実施されている場合が多いですね。
残価設定プログラムは色々気を使う必要はあるけど割とお得
残価設定プログラムは、回線契約なしでも負担を減らして新しいスマホが買える希少な方法です。
破損や故障に気を付ける必要はあるものの、普通に使っていれば基本的には問題ありません。
iPhoneなどのリセールバリューが高い端末は普通に買って2年後に売却する方がお得な場合もある一方で、Androidスマホの場合は残価設定プログラムの方がお得になる場合が多いです。
また、ショップの実質○○円はかなりお得なので、気になる端末があるなら結構おすすめな選択肢ではないでしょうか。
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