今回は、ここ最近の投げ売りの主流になっている実質1円レンタルと、白ロム購入した端末を格安SIMで運用する方法のどちらがお得か、実際に試算して解説していきたいと思います。
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実質1円レンタル投げ売りとは
実質1円レンタルとは、ここ最近のキャリアの端末投げ売りの主流になっている販売方法です。
この販売方法は、1年後や2年後に端末を返却する残価設定プログラムと、乗り換えなどの回線契約による割引を組み合わせています。
この方法はiPhoneやPixelといった売れやすい機種を対象に行われていることが多いですね。
以前は、キャリアショップ店頭のみで行われることが多かったんですが、最近はオンラインショップでも利用可能なので実施店舗を探す必要は無くなりました。
価格はキャリアによって様々で、現在は以下のようになっています。
- ドコモ:いつでもカエドキプログラムで2年後返却実質23円(月1円)
- au:スマホトクするプログラムで2年後返却実質47円(初月3円、2回目以降月2円)
- ソフトバンク:新トクするサポート(スタンダード)が2年後返却実質24円(月1円)、新トクするサポート(バリュー)だと1年後返却実質12円(月1円)
この販売方法は、端末代金の負担額をとにかく減らせる点がメリット、端末返却の必要がある点と回線契約が必要な点がデメリットと言えます。
白ロム購入&格安SIM運用とは
今回紹介する白ロム購入&格安SIM運用とは、スマホを安く運用するなら選択肢に入ってくる方法の1つです。
そもそも、白ロム購入とは「回線契約を伴わない購入」のことで、キャリアでも白ロム購入は可能ですが、基本的にはメーカー直販か白ロム専門店での購入がおすすめです。
iPhoneやPixelなどは基本的にキャリアより直販の方が安いため、分割購入や割引などを利用しない場合はキャリアの利点はあまりありません。
白ロム専門店はイオシスやじゃんぱらなどで、中古品がメインになりますが未使用品も購入可能です。
これらの店舗では、端末によってはかなり安く買えるのでおすすめしています。
今回紹介するのは、この白ロム購入した端末を格安SIMで利用する方法です。
格安SIMであれば、大手キャリアと比べて通信費が安く済むメリットがあります。
1つのキャリアで端末購入から回線契約まで完結する1円レンタルと比べると、自分で購入先や契約先を選ぶ必要があるので少し詳しい人向けの方法ではありますが、比較したいと思います。
実際に試算して比較
今回は1円レンタルの代表格であるiPhone 14で試算します。
2年レンタルを基本とするため、格安SIM運用も使用期間は2年間としています。
また、利用する通信回線も2年間変更しない想定です。
端末代
iPhone14の実質投げ売りが行われているのはドコモ、au、ソフトバンクの三大キャリアです。
実質1円レンタルを利用した場合、2年間負担する端末代はドコモ23円、au47円、ソフトバンク24円となっています。
一方でイオシスで購入した場合、安いものだと82,800円、新品に近い中古Aで10万円前後からという価格です。
ただ、2年後に端末を売却した場合、状態や相場によりますが買取価格は4〜7万円程度と予想されるため、その場合の2年間の実質的な負担は3〜6万円前後になります。
端末代金だけ見れば実質1円レンタルの方が圧倒的に安いですね。
白ロム購入の場合は、リセールバリューの高いiPhoneなら2年後に売却することで、それなりに負担額を抑えることができます。
ただ、購入時には実際に10万円ほど支払う必要があるので、一時的な負担は大きいかと思います。
iPhone 14の端末代金(2年間) | |
---|---|
ドコモ | 定価:124,465円 いつでもカエドキプログラム:2年後返却実質23円(一部店舗) |
au | 定価:127,900円 スマホトクするプログラム:2年後返却実質47円 |
ソフトバンク | 定価:127,432円 新トクするサポート(スタンダード):2年後返却実質24円 |
イオシス | 82,800円~(中古C利用制限▲)、99,800円~(中古A) ※ただし2年後売却した場合、買取価格4~7万円程度が別途有り →その場合、2年間の実質的な負担額は3~6万円前後 |
通信費
今回は大手キャリアの基本的な料金プランの価格で試算します。
シンプルに通信のみを提供している格安SIMとの比較が難しくなるため、証券と組み合わせたauのマネ活プランやPayPayと組み合わせたソフトバンクのペイトクは今回は除外しています。
大手キャリアのメインプランだと、3GB以下の小容量と無制限の両極端なラインナップが多くなっています。
料金は、1GB前後で3〜4,000円ほど、3GBで5,000円台半ば、無制限だと7,000円台が多いですね。
2年間同じプランを継続した場合、総支払額は以下の通りになります。
- ~1GBの小容量:8万円台半ば
- 3GB前後:約13万円
- 無制限:17万円台半ば
大手キャリアの通信費 | |
---|---|
ドコモ | ~1GB(eximo):4,565円/月 1~3GB(eximo):5,665円/月 3GB~無制限(eximo):7,315円/月 |
au | ~1GB(スマホミニプラン):3,465円/月 ~2GB(スマホミニプラン):4,565円/月 ~3GB(スマホミニプラン):5,665円/月 ~4GB(スマホミニプラン):6,215円/月 無制限(使い放題MAX):7,238円/月 |
ソフトバンク | ~1GB(ミニフィットプラン+):3,278円/月 1~2GB(ミニフィットプラン+):4,378円/月 2~3GB(ミニフィットプラン+):5,478円/月 無制限※200GB以上で速度制限(メリハリ無制限+):7,425円/月 |
一方で今回比較する格安SIMは選択肢が多いため、それぞれの場合で試算を行いました。
キャリアのサブブランド系のUQモバイルとワイモバイルは格安SIMの中では比較的高めです。
4GBの小容量プランはいずれも2,365円/月なので、2年間利用した場合の総支払額は56,760円になります。
20GB前後だと3〜4,000円台なので、2年間利用した場合は8.5〜9.5万円ほどを負担する形です。
ソフトバンクのオンライン専用サブブランドであるLINEMOは、3GBのミニプラン(990円/月)と20GBのスマホプラン(2,728円/月)の2プランが提供されています。
2年間利用した場合の支払総額は、ミニプランは23,760円、スマホプランは65,472円です。
IIJmio、mineoなどのMVNOだと、安いプランは1,000円前後、20GBで2,000円ほどが多く、ここまで紹介した事業者と比べるとかなり安いですね。
2年間の支払総額は、1,000円前後のプランだと24,000円前後、20GBのプランでも48,000円前後になります。
サブブランド・格安SIM(MVNO)の通信費 | |
---|---|
UQモバイル | 4GB(ミニプラン):2,365円/月 20GB+通話10分無料(コミコミプラン):3,278円/月 15GB(トクトクプラン):3,465円/月 ※~1GBで2,277円/月 |
ワイモバイル | 4GB(シンプル2 S):2,365円/月 20GB(シンプル2 M):4,015円/月 ※~1GBで2,915円/月 30GB(シンプル2 L):5,115円/月 ※~1GBで2,915円/月 |
LINEMO | 3GB(ミニプラン):990円/月 20GB(スマホプラン):2,728円/月 |
IIJmio | 2GB:850円/月 5GB:990円/月 10GB:1,500円/月 15GB:1,800円/月 20GB:2,000円/月 30GB:2,700円/月 40GB:3,300円/月 50GB:3,900円/月 |
mineo | 1GB(マイピタ):1,298円/月 5GB(マイピタ):1,518円/月 10GB(マイピタ):1,958円/月 20GB(マイピタ):2,178円/月 |
端末代金と通信料を合算してみる
ここまで試算した内容を合算、比較していきます。
今回は、大手キャリア、白ロム購入+サブブランド系、白ロム購入+MVNOの3パターンで比較します。
通信プランは3GB前後の小容量、15〜20GB前後の中容量、20GB以上の大容量の3つに分類しています。
実質1円レンタルは価格が分かりやすいソフトバンクの24円で設定しており、白ロムは中古AのiPhone 14ということで約10万円としています。
今回の試算の場合、小容量だと大手キャリアの実質1円レンタルの2年間の総支払額が約130,024円、白ロム購入+MVNOだと2年間約124,000円とかなり近くなりました。
一方で、月に15〜20GBの中容量帯になると、格安SIMの方が3万円近く安くなります。
これは、大手キャリアだと中容量プランが無く、無制限と同じ価格になることが原因です。
大容量や無制限になると格安SIMの通信費もそこそこ高くなるため、端末代金が圧倒的に安いキャリアの方が総支払額も安くなります。
ただし、この試算は白ロム価格が10万円のiPhone 14の場合です。
白ロムが7~8万円台で買えるPixel 8などの場合、どの容量帯でも白ロム+格安SIMの方が安くなります。
端末によってはこのように支払額が変わってくるので、注意が必要です。
また、白ロム購入の場合、2年後に端末を売却すれば実質的な負担はさらに抑えることができます。
特にiPhoneのようにリセールバリューの高い端末だと、2年後に最大で7万円ほどが返ってくるので、それを加味すれば1円レンタルと比べても断然安くなりますね。
とはいえ、実際に支払う金額だけを見れば、いずれの場合も実質1円レンタルと白ロム購入の価格差は2〜3万円ほどに収まっており、どちらかが圧倒的に安い、というほどの差はありません。
また、1年後に大手キャリアから格安SIMに乗り換えるという良いとこどりな方法なら、実質1円レンタルでももう少し負担額は安くなります。
iPhone 14を2年間使用で想定 | 小容量プラン(~3GB前後) | 中容量(15~20GB前後) | 大容量(~無制限) |
---|---|---|---|
大手キャリア ドコモ・au・ソフトバンク ※端末はMNP利用2年レンタル | 端末代金:24円 通信料:約13万円 合計:約130,024円 | 端末代金:24円 通信料:約17.5万円 合計:約175,024円 ※プランの都合上、無制限と同等 | 端末代金:24円 通信料:約17.5万円 合計:約175,024円 |
白ロム購入+サブブランド系 ※端末は中古A・未使用相当 | 端末代金:約10万円 通信料:約5.5万円 合計:約155,000円 | 端末代金:約10万円 通信料:9万円前後 合計:約190,000円 | 端末代金:約10万円 通信料:約12万円 合計:約220,000円 ※ワイモバイル 30GBプラン |
白ロム購入+MVNO ※端末は中古A・未使用相当 | 端末代金:約10万円 通信料:24,000円前後 合計:約124,000円 | 端末代金:約10万円 通信料:48,000円前後 合計:約148,000円 | 端末代金:約10万円 通信料:約9万円 合計:約190,000円 ※IIJmio 50GBプラン |
※ただし白ロム購入は2年後売却した場合、買取価格4~7万円程度が別途有り |
意外と差は小さい、手間や支払いタイミングで違い
2つの方法を比べると実質1円レンタルは「端末代が安く、通信費が高い」のに対し、白ロム+格安SIMは「端末は(投げ売りより)高いが、通信費が安い」という形になります。
結果的にプラスマイナスゼロ、といった感じで2年間の総支払額にそこまで大きな差はありません。そのため、お得さ以外の部分で選ぶことになります。
例えば、実質1円レンタルだと、キャリアでの手続きの手間や返却の必要性などがネックになりますし、白ロム購入は初期費用として端末代金が大きくかかることがネックになると思います。
また、白ロム購入であれば好きなタイミングで端末を売却することも可能なので、その売却額を含めて考えると負担額は変わってきます。
つまり、運用方法やユーザー自身のリテラシーによっても適した購入方法は変わってくるので、今回の試算を参考にしつつ、ご自身に合った方法を選ぶことをおすすめします。
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